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改憲、軍拡を許さない
憲法を生かす会・ひょうごネットが高作正博さん講演会と交流会

2022/10/12
「改憲、大軍拡にどう立ち向かうか」と題して高作正博関西大学教授が講演=9月25日、神戸市兵庫区
 「憲法を生かす会・ひょうごネット」は9月25日、高作正博さん(関西大学法学部教授)を講師に招いた講演会と交流会を神戸市内で開いた。
先の参院選で改憲勢力が3分の2議席以上を確保し与党にとっては「黄金の3年間」といわれる状況がつくられ、改憲とともに敵基地攻撃能力保有や防衛費GNP比2%をはじめとする大軍拡の動きが強まろうとする中、こうした情勢認識と運動課題の共有を図ろうと開催されたもの。
 「今後の改憲、大軍拡にどう立ち向かうか」をテーマとした講演で、高作さんは、まずロシアの軍事侵攻と安倍元首相銃撃事件について触れ、ロシアの軍事侵攻の背景として、ロシアによる西側の「模倣」の政治と反発の構図があるのではないかと指摘するとともに、ロシアの軍事侵攻が日本の改憲策動を後押ししていると述べた。
 また、一方で安倍政権以来の自民党の右傾化の背景として、「緊急事態条項」や「家族保護」など旧統一協会の改憲案と自民党の改憲案が類似していることなど、日本会議や旧統一協会による自民党政治への影響を指摘。改憲勢力が3分の2を占めた今も、この間の旧統一教会問題などで内閣支持率が急落しているために政権は改憲を言える状況ではなく、タイミングを計っているのではないかと述べた。
 さらに、ロシアの軍事侵攻が9条改憲の後押しとなり、海外派兵は一定歯止めがかかっているものの、「必要最小限の実力」の意味が変質し、憲法上の制約の無効化につながっているとし、外国への不信や不安をあおるだけの抑止論や現実主義の問題点に言及した。
 最後に、いま民主主義が自壊し、個人をつなぐ共通の「空間」や「事実」が喪失する中、私たちも時間をかけて連帯や活動を強めていくことが必要だと強調した。
 講演後は、各団体や地区から、表現の不自由展の取り組みや自治体への申し入れなどの国葬反対の取り組みなどが報告され交流を行った。(中村)