新社会兵庫ナウ

水脈(2025年9月10日号)

2025/09/10
 暑い。「命の危険に繋がる暑さ」はいつまで続くのか。最高気温更新が相次ぎ、ついに兵庫県丹波市で全国最高気温41・2度を記録した。それも6日後には群馬県伊勢崎市で41・8度と、さらに更新だ▼体感温度はもっと高い。ベランダに置いた温度計はあっさり48度を記録したし、アスファルトが焼けている舗道やエアコンから吐き出される熱風などで息苦しい▼国連は気候変動に伴う深刻な熱ストレスから労働者を守るための指針を盛り込んだ報告書を公表し、政府や雇用者に対し、持病のある人や中高年など体力の低下した人に配慮しながら、地域や職種ごとに対策を立てるよう求めた。酷暑から労働者を守ることは健康面のみならず、経済的にも必要だという。日本は労働安全衛生法の改正により、熱中症対策が6月から罰則付きで義務化されたが、きちんと守られているだろうか▼異常気象による自然災害リスクは急増し、熱波や豪雨、洪水、干ばつ、山火事などの災害は、過去50年間で5倍に増加したという。世界各地の、異常気象が引き起こす食の安全と供給の不安定さは、経済弱者を飢えに直面させる。異常気象の常態化は人々の間に、さらに国家間に分断を呼びこむ。平和と人権の課題なのだ。