新社会兵庫ナウ

広島・平和記念式典(8月6日)から
こども代表「平和への誓い」 

2025/08/27
 米国による広島、長崎への原爆投下から80年の今年も8月6日には広島市で平和記念式典、9日には長崎市で平和祈念式典が開かれ、両市の市長がそれぞれ「平和宣言」を発表。ともに、核兵器保有論の拡大や「核戦争」の危機に懸念を示しながら、核兵器の廃絶と世界恒久平和の実現を呼びかけ、日本政府には日本が核兵器禁止条約の締約国となることを求めた。
 一方、石破首相のあいさつは、歴代首相と同様、核禁条約には一言も触れることがなかった。
 こうしたなか、広島市での平和記念式典では、「こども代表」によって今年も「平和への誓い」が読み上げられた。
 こども代表「平和への誓い」は、被爆50年の式典で初めて述べられて以降継続しているもので、この紙面でも改めて紹介したい。
【編集部】
◇ ◇ ◇

平和への誓い

いつかはおとずれる、被爆者のいない世界。同じ過ちを繰り返さないために、多くの人が事実を知る必要があります。

原子爆弾が投下されたあの日のことを、思い浮かべたことはありますか。
昭和20年(1945年)8月6日 午前8時15分。
この広島に人類初の原子爆弾が投下され、一瞬にして当たり前の日常が消えました。
誰なのか分からないくらい皮膚がただれた人々。
涙とともに止まらない、絶望の声。
一発の原子爆弾は、多くの命を奪い、人々の人生を変えたのです。

被爆から80年が経つ今、
本当は辛くて、思い出したくない記憶を伝えてくださる被爆者の方々から、直接話を聞く機会は少なくなっています。
どんなに時が流れても、あの悲劇を風化させず、
記録として被爆者の声を次の世代へ語り継いでいく使命が、私たちにはあります。

世界では、今もどこかで戦争が起きています。
大切な人を失い、生きることに絶望している人々がたくさんいます。

その事実を自分のこととして考え、平和について関心をもつこと。
多様性を認め、相手のことを理解しようとすること。
一人一人が相手の考えに寄り添い、思いやりの心で話し合うことができれば、傷つき、悲しい思いをする人がいなくなるはずです。
周りの人たちのために、ほんの少し行動することが、
いずれ世界の平和につながるのではないでしょうか。

One voice.
たとえ一つの声でも、学んだ事実に思いを込めて伝えれば、変化をもたらすことができるはずです。
大人だけでなく、こどもである私たちも平和のために行動することができます。
あの日の出来事を、ヒロシマの歴史を、二度と繰り返さないために、
私たちが、被爆者の方々の思いを語り継ぎ、一人一人の声を紡ぎながら、平和を創り上げていきます。

令和7年(2025年)8月6日
 こども代表
  広島市立皆実小学校6年  関口千恵璃
  広島市立祇園小学校6年  佐々木 駿