新社会兵庫ナウ

地域ユニオンあちこちあれこれ452
中小・零細企業の25春闘

2025/05/21
 2025春闘は、大企業では物価高や人出不足を背景に2年連続の5%台の回答がすでに報じられている。しかし、昨年は中小企業との格差が広がったことから、連合は格差の縮小を大きな目標に掲げていて、中小企業の交渉は5月まで続き、その情勢を見守っていかなければならない。
 あかし地域ユニオンの組合員は、中小企業がほとんどだが、組合員が働く7社に対して、3月には賃上げを求める春闘要求書を提出して、現在も交渉中だ。要求書に対して、交渉前の打ち合わせを、集まれる分会はユニオンの役員だけでなく組合員と共に進めていくようにした。
 交渉の結果についてだが、零細企業の自動車部品の金属加工会社は、4月1日に春闘交渉を行い、厳しい経営状況だが、従業員の生活を考えて1.6%のベースアップをすると回答した。
 Fタクシーは3月25日に春闘交渉し、一部、手当の改善はあったものの賃上げも通勤費支給もできないとの回答に組合員は納得せず、再度4月17日に交渉を持った。残念ながら、赤字経営の現在の状況では賃上げは無理との回答だったが、会社は経営改善の兆しがあり黒字になれば要求に応じる考えがあると表明し、少し前進した。
 NTTの下請け会社とは( 組合員は非正規社員)4月8日に春闘交渉し、「賃上げは検討中」との回答に対し、「正社員は賃上げして非正規には無しはありえない」と追及し、6月末までに回答することを確認した。
 神戸製鋼の孫請けの貨物会社とは4月28日に春闘交渉を行い、厳しい経営状況で賃上げはできないとの回答だったが、最新の損益計算書をもとに、株主総会後に再度交渉することを求めた。
 そのほか、大手信託銀行(非正規社員)は5月23日に、医療関係会社は5月24日に、Sタクシーは5月27日に、それぞれ春闘交渉を予定している。
 あかし地域ユニオンの組合員は正社員もいるが、非正規労働者や派遣労働者も数多くおり、低賃金を余儀なくされている。引き続き「物価を上回る賃金の引き上げ」を求めて全力を上げたい。
次本理(あかし地域ユニオン書記長)