新社会兵庫ナウ

水脈(2025年3月26日号)

2025/03/26
 1996年に法制審議会が導入を答申して以来、自民党保守派の強固な反対で店晒しにされてきた「選択的夫婦別姓制度」。与党少数の今国会で、提案審議と早期の成立に期待が寄せられている▼生まれ持った名前を変えずに生きていきたいと考えることは何ひとつ間違っていない。憲法は個人の尊厳と両性の本質的平等を定めている。それを許さなかったのは、民法750条「夫婦は婚姻の際に定めるところに従い、夫または妻の氏を称する」によるものだ▼世論は7割が選択制を認めている。国連女性差別撤廃委員会からは何度も勧告を受けている。しびれを切らした財界も制度導入を求める意見書を出すなど環境は整いつつあるが、「家族の絆」を弱め伝統的な家族制度を破壊することになると、反対の声を強めているのが自民党保守派をはじめとする「家父長制」による国民統治の国家体制に固執する勢力である▼明治維新以前の日本の庶民に名字はなく、家族単位で統治するために明治31年、民法が家制度、夫婦同姓を義務付けた。たかだか120年余の歴史だ。同姓を義務付ける国は世界で日本だけ。私が私であるための姓を強制ではなく、選べる「選択的夫婦別姓制度」を成立させよう。