新社会兵庫ナウ
水脈(2025年1月22日号)
2025/01/22
自然は、お正月だからといって安寧を与えてくれない。去年は元旦に能登半島地震、今年は年明けから東北や北陸で災害級の大雪が続く。ロサンゼルスでもかつてない規模の大火事だ▼自然には抗えないものだとしても、制御可能な人間の手によって新年早々から悲劇が繰り返されているのがパレスチナ・ガザ地区だ。元旦から避難地域にイスラエルの攻撃を受け、犠牲者が出た。15か月に及ぶイスラエルによるジェノサイドですでに少なくとも4万5千人の命が奪われている。イスラエルの空爆は、レバノン、イエメン、シリアにも及び、国際法などは全く無視である。親イスラエルのトランプ氏が大統領に就任したあと、中東はどうなるのか、懸念はさらに深刻になる▼大統領再選時から、今後とんでもないことが起きるだろうとは予想されたことだが、すでにそのことが起き始めている。例えば、パナマ運河の管理権を取り戻し、デンマークの自治領グリーンランドの獲得のためには軍事行動や、関税を武器に経済措置も辞さないと表明した。カナダに対しては、合併して「51番目の州」になるべきだと公言する。荒唐無稽な話にも聞こえるが、世界の不安定性と混迷が増大するのは間違いなさそうなのか。