新社会兵庫ナウ
水脈(2024年10月23日号)
2024/10/23
イスラエルのガザへの攻撃、ジェノサイドが始まって1年。これまでの死者は4万1千人を超え、しかも大半が子どもだ。一時、ネタニヤフ政権の閣僚は「核の使用も一つの選択肢」と公言した。ガザの停戦どころか、イスラエルはいまやレバノンにも攻撃を仕掛け、中東の戦火はさらに広がろうとしていて、やりきれない▼小欄はこんな書き出しだったが、11日夕、驚きのニュースが飛び込んできた。歴史的、画期的な朗報だ。2024年のノーベル平和賞を日本被団協が受賞したのだ▼ノーベル委員会の委員長に今年新しく就任した39歳のフリードネス氏が受賞理由をゆっくり、しっかりと読み上げる。その全文を後で読んでみると実に感動的な内容だ。被団協の活動の総体を評価するとともに、新しい世代への期待もある。核軍縮に逆行し核戦争の危機すらある現代への強いメッセージの意味もある。編集長の職権(?)で計画を変更し、全文を本誌でもぜひ紹介したいと思った(2面に掲載)▼だが、問題はこれからだ。このメッセージが、近いところでは核兵器禁止条約に背を向け続けてきた日本政府にどう届き、動かす力となっていくのか。「核の共有」の持論を持つ首相も誕生している。