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タスキ不着用で不当差別評価/灘郵便局
非正規の2人提訴の控訴審開始
「タスキ裁判を支援する会」結成

2023/03/08
【写真説明】(上)「応援する会」結成総会で決意を述べる原告の船山良成さん(左)と藤井秀和さん=1月28日、大阪市
(下)郵便配達員が肩から着けている蛍光タスキ


 「郵便屋さん」が着けている蛍光タスキ(写真下)。「視認性を高め、事故を防止する」として2013年頃、郵便の全外務社員に配られたが、ハンドルやミラーに引っ掛かって危ないと着用する人は少なかった。
 神戸市の灘郵便局では2017年着任の局長が着用を強制。「効果は疑問、かえって危険」とタスキを着けなかった2人のアソシエイト社員(無期・非正規)は人事評価で時給10円をカットされ、作業能率評価手当の支給も止められた。年間の実損は1人約32万円強だ。
 船山良成さん、藤井秀和さんの2人は「夜間以外は着用の義務がないこと、実損の回復」を求めて2020年に神戸地裁に提訴した。裁判ではタスキを着けない正社員には不利益がなく、非正規社員にだけ不利益を科すのは「不合理な差別」だと訴えたが、地裁は「着用命令は正当。評価は差別ではない」と原告の請求を不当にも棄却した。
 2人は直ちに控訴。「正社員5人、非正規社員4人がタスキを着けずに働いているが不利益はない。原告だけが不利益を科せられるのは平等原則に反する」と新証拠をつきつけて審理に臨んでいる。
 控訴審は1月26日に開かれ、40人の支援者が傍聴。その後の報告集会で「タスキ裁判を応援する会」を結成した。応援する会は、「正規・非正規の差別待遇を調査し、情報を発信・交流をし、原告を物心両面にわたって応援する」などを目的としている。非正規差別と闘う原告の船山さん、藤井さんを支援しよう。
(塩浜)