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牧場視察や交流・討論
全国農業問題連絡会・総会

2022/12/15
中山間地農業を守ることや集落営農育成、農福連携などの活動方針を確認した=11月10日、香川県
 全国農業問題連絡会の第18回総会・視察交流会が11月19、20日、香川県内で行われた。開催はコロナ禍で3年ぶり。牧場視察や交流討論を通じて、中山間地農業を守ることや集落営農育成、農福連携などの活動方針を決め、各地での取り組みの強化を誓い合った。
 乳牛300頭、子牛60頭を飼育する広野牧場は、酪農教育ファーム認証牧場として、「農業を元気にしたい、身近に感じてもらいたい」との思いから、地域の子どもや消費者など、年間約500人を受け入れて酪農体験などを実施。時には学校に乳牛数頭とともに出向いて「出前講座」も行っている。
 交流討論では、兵庫の阪東進さんが「『耕しや2022』 阪東農場の今」と題して報告。2008年に息子と2人で始めた農業だが、地域の高齢化が進み、農業の担い手不足が深刻になるなか、「耕しや」への耕作依頼が相次ぎ、14年後の現在、耕作面積は14倍に拡大していることが報告された。改めて過疎化・高齢化による農業の危機的な状況が浮き彫りにされた。
 総会では、①生産者と消費者の交流、連帯活動の強化、②脱原発や有機・減農薬、環境保全、地域循環型農業の拡大、③「気候危機・環境支払い」や「有機支払い」など農家への直接所得補償制度の復活をめざす―などの方針を確認。次回は九州ブロックで開催することになった。(鍋島)