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「日本社会が危ない」
前川喜平さん講演会
市民と野党の長田共同アクションが開催

2022/12/15
安倍政権下での教育への介入などについて詳しく語った前川喜平さん=11月20日、神戸市長田区
 「市民と野党の長田共同アクション」が主催する前川喜平さんの講演会が11月20日、神戸市長田区内で開かれた。会場が満席となり、舞台の上にまで座席を設置するほどの盛況となった。
 テーマは「日本社会が危ない―教育行政・旧統一教会の問題点と憲法」。前川さんは「どこから話していいのかわからないタイトルですが…」と切り出し、安倍元首相の国葬問題から話を進めた。哀悼の強制で良心の自由を奪い、法の下の平等に反する国葬の違憲性を批判し、国葬の中で自衛隊が演奏した曲が旧陸軍・海軍の英霊を称え、国家神道の歌詞を持つ曲であったことも指摘した。
 教育をめぐっては、過去の歴史教育の反省から従軍慰安婦のことを掲載するようになった歴史教科書の使用が始まった1997年がターニングポイントだったとして、その後の安倍氏ら右派政治家や学者らの猛烈な反発から教科書検定の強化が始まっていった経過や、安倍政権による教育再生会議の設置、教育基本法改悪、さらには第2次安倍政権下での教育へのいっそうの介入による右傾化に言及。「教育勅語」の教材としての使用の容認、道徳の教科化をめざす「わたしたちの道徳」という国定教科書の全員配布などのことを紹介した。さらに地方教育法の改悪による首長の教育への介入の強化も問題視した。
 また、旧統一教会と自民党の癒着の問題では、青少年健全育成基本法や家庭教育支援法の制定への働きかけなど政策的な癒着と影響を指摘した。